日本映画

ソラニン

この映画は若者がプロのバンドを目指すということをテーマに、夢や自由を求めることや、現実と理想のギャップについて考えさせられるような映画です。バンドで成功出来る人はほんの一握りというのは音楽をしていない人でもきいたことはあると思いますが、一番大変なのは年齢との葛藤だと思います。大人になるにつれて、現実の厳しさや生きていく大変さを感じ、そんな中で今の状況などを考慮に入れて現実と理想どちらを選ぶか天秤にかけなければならないのかもしれません。そして主人公には、お付き合いしているパートナーがいたのでそのことでの葛藤を感じる映画でした。しかし、夢を諦めてでも選びたい相手がいること、そして夢を追いかけ後戻りできないところまで来てしまったなか、そんな夢を諦めさせてくれるような相手が居ることはとても幸せなことだろうなと感じました。原作漫画の作者の浅野いにおさんはどことなくくらいどこか切ない作品を書きますが、この映画もその原作を大切にして音楽、キャスト、演出全てにおいて繊細に作り込まれている気がします。個人的には映画の主題歌でタイトルがそのまま楽曲の名前であるASIAN KUNG-FU GENERATIONのソラニンという曲と、キャストの中でも宮アあおいの雰囲気が合っていて素晴らしかったです。

 

告白

湊かなえのベストセラー小説を映画化したもので、冒頭から松たか子演じる森口悠子が「自分の娘を殺した犯人がこのクラスの中にいる」と話し出す衝撃的な告白から始まります。そのインパクトのある始まりから淡々と説明する守口、そしてそれを黙って聞いている生徒と場面は変わりませんが異常なまでの緊張感が見ていても伝わります。その後、すぐに犯人は判明するのですが、その犯人の少年A、少年Bともかなりの異常者で、特に少年B役の藤原薫が見た目は普通の内気な少年なんですが、友達に認められたくて幼い子供、そして自分の母親までも殺害してしまうという難しい役柄に挑戦しています。その殺された母親を演じる木村佳乃も自分の子供を愛するがゆえに過保護過ぎてそれが、見ているものを狂気に感じさせてしまうほど鬼気迫る演技です。どこにでもあるような中学校の日常を描いているシーンもあるのですが、それもその裏にあるイジメや少年犯罪といった社会問題をより強調させるものになっています。監督は下妻物語やパコと魔法の絵本の中島哲也監督で、得意のスローモーションやCGなどの撮影技術を使ったラストの映像が印象的でした。その年のアカデミー賞を取った作品でキャスト、映像、編集、脚本ともに日本映画の最高峰の1つだと思っています。

 

かもめ食堂

この映画は、主人公サチエ(小林聡美)がフィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」という日本食のお店を、一人ではじめた頃のお話しから始まります。近所の人達は、目の前は通ってくれるものの、まだ一人もお客さんが来ません。そんな中、日本が大好きな青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)がお客さん第一号としてお店に訪れ、ガッチャマンの歌詞を質問されますが、なかなか思い出せません。そこで、たまたま本屋で出会った日本人女性ミドリ(片桐はいり)に思い切って聞いてみると、スラスラと歌詞を教えてくれました。お礼にということで、彼女を自分の家に招き、そのままミドリは食堂で働くことになります。そしてある日、フィンランドのエアギター選手権に惹かれ旅行に来たマサコ(たいまさこ)がお客さんとして訪れ、親しくなります。空港で荷物がなくなってしまった為、荷物が見つかるまで「かもめ食堂」で働くことになります。この映画は原作が群ようこ、監督が荻上直子で、三人の女性がお客さん達と少しずつ交流を深めていく、ほっこりした作品になっています。「人は人によって生かされているのだな。」と改めて感じさせてくれます。また、「おにぎり」「豚のショウガ焼き」などの日本食から「シナモンロール」まで、見た目も美味しそうなものが多く、この映画を見終わった後には「かもめ食堂に行って、おにぎりを食べたい。」と思わせてくれます。見どころはやはり、役者さん達の絶妙な掛け合いがクスッと笑えて、なんだか不思議な台詞も多くて楽しめます。淡々と流れていく中に優しさを感じる素敵な作品なので、まったりとした時間を過ごしたいなあと感じる時におススメの映画です。

 

 

紹介している作品は、2017年4月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください

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